薬剤師の平均年収はどのくらい?

都市部よりも地方が年収高いって本当?

薬剤師というと調剤薬局などでは都市部よりも地方の年収が高いイメージを持たれている方も多くいらっしゃいますが実際のところはどうなのでしょうか。
今回は転職の際に皆さんが気にされる年収面について、地域や企業規模など別にどの程度違ってくるのかということをまとめていきたいと思います。



【薬剤師の平均年収とは?】

一言に薬剤師の平均年収といっても、地域や企業規模、年齢、業種、雇用形態などにより様々であります。それをひとまとめに平均年収と言ってしまうと、転職活動の際の指標にならないので今回は上記項目ごとにそれぞれに平均年収の参考となる情報を記載していこうと思いますので是非、参考にしてみてください。
※弊社独自調べによる数値ですのであくまで参考数値としてご活用ください。

1.【都道府県別】薬剤師の平均年収
はじめに都道府県別での薬剤師の平均年収を見ていきたいと思います。
都道府県別で見たとき、地方エリアの方が都市部よりも年収が高いというイメージを持たれている方も多くいらっしゃると思いますが実際はどうなのでしょうか。
今回は厚生労働省が公表している賃金基本統計調査の年収をベースに弊社にご依頼をいただいている実際の求人年収なども加味した弊社調べにおける都道府県別の調剤薬局年収一覧(調剤併設ドラッグストアも含む)を作成しましたので早速見てみましょう。


地域別収入

上記表を見ると一目瞭然ですね。都市部よりも年収の低い地方もありますが、主要都市である東京や大阪、名古屋の年収はそこまで高いわけではなく、全国平均530.5万円より下回る結果となりました。
転職の際に年収を上げたいと考えている場合には、勤務地を地方の高年収エリアに変えるというのも一つの手段ではあります。


2.【企業規模別】薬剤師の平均年収
次に企業規模別に薬剤師の年収に違いがあるのかを見てみましょう。

企業別収入

上記の通り企業規模が小さいほど、平均年収が高くなるという結果が出ております。
こうなる理由は主に二つあります。

一つ目は企業規模が小さいほど採用難易度が高くなるため、採用のためにわかりやすく年収を高くする傾向があることです。企業規模が大きいほど福利厚生が手厚いので、福利厚生面で見劣りする分、収入面を高くして求職者に興味をもってもらえるようにしていることが多いです。

二つ目は平均年齢の若さです。見ての通り企業規模の大きさに準じて平均年齢が若くなってきております。これにはいくつか理由がありますが、まずは女性の多い職場において産休・育休後にパートなどの時短勤務に切り替えられる方が多いことです。上記表は正社員が対象であり、パート等に切り替えられた方は除外しております。加えて薬剤師の新卒市場では小規模の薬局では広告費用面や教育面的に採用が難しいこともあり、どうしても大手に新卒が流れる傾向があるため、必然的に平均年齢が若くなり、それに伴って平均年収も低くなります。

以上より、あくまで参考数値であり、例外的に大手でも高年収、小規模でも低年収の求人ももちろんございますが、一般的には年収だけを見た場合、企業規模の小さい薬局を選ぶことで年収を上げることができそうですね。


3.【年齢別】薬剤師の平均年収
年齢別で見たときの平均年収の違いはどうでしょうか。
以下のグラフは年齢別での平均年収の推移となります。実際のイメージと違いはありましたでしょうか。
実際には例えば都内で40代前半の男性で600万以上の調剤薬局求人があるかというと、ほぼ無いと思われますので、実際に転職をする際の参考年収にはあまりしない方が良いのではないでしょうか。

企業別収入


4.【業種別】薬剤師の平均年収
業種ごと違いについても比べてみましょう。
以下、薬剤師の就業先として多い調剤薬局、ドラッグストア病院、その他製薬会社などそれぞれの平均年収を比較しております。


職種別収入

上記一覧表からもわかる通り、製薬会社MRなどの製薬関係企業の年収が一番高く、次にドラッグストア、調剤薬局、病院という順になっております。
もちろんあくまで平均年収ですので、調剤薬局の勤務薬剤師だから年収550万以上の求人が無いというわけではございませんし、病院でも高年収の求人もございます。
それぞれの年収や働き方の特徴なども含めてみていきましょう。
※詳しい業務内容を知りたい方はどんな仕事があるだろう 専門業界編をご覧ください。


5.【雇用形態別】薬剤師の平均年収
最後に雇用形態別での平均年収について述べたいと思います。
雇用形態別での収入の比較については具体的な数字などは無いのですが、正社員勤務の場合、エリア別の表で記載した全国平均の530万に近い数字と思われます。
対して契約社員の場合、採用の難しいエリア(店舗)などにおいてやむを得ず年収を高くすることで採用するために用いられるケースが多く、その他職種における契約社員とは異なり正社員と比べて年収が高くなることが多いです。
パートの場合は調剤薬局よりもドラッグストアの方が少し時給が高い傾向にあります。エリアによる違いもありますがおおよそ2000円程度~2300円程度の範囲内の時給が多いです。
派遣の場合は求人ごとによる時給の違いもかなり大きいですが、2500円程度~3000円程度の求人が多いです。



【他の医療従事者との年収の違い】

エリアや企業規模など就業先の異なる条件下における薬剤師年収の違いについて記載してきましたが、それでは同じ医療従事者ではどの程度年収が異なるのでしょうか。薬剤師以外の医療従事者として医師、看護師、その他職種をいくつか比べてみたいと思います。

1.医師の平均年収
医師というと高年収の職業というイメージを持たれる方がほとんどかと思います。実際に厚生労働省が発表している2020年度賃金構造基本統計調査における医師の平均年収は約1450万円(平均年齢45.5歳)と、とても高年収の職業ということが一目瞭然ですね。医師になるには医学部(6年制)を卒業したうえで「医師国家試験」を合格しなければならず、医学部は大学学部の中でも最難関ですので医師になることは大変困難です。
また、人の命に直結する責任ある仕事であり、勤務先によっては救急時の対応など休みの日も自宅待機している必要もあるなど、大変な仕事であり高年収ということも納得の仕事だと思います


2.看護師の平均年収
看護師についても厚生労働省が発表している2020年度賃金構造基本統計調査における平均年収は約490万円(平均年齢41.2歳)となっております。
看護師といっても国家資格に合格した看護師と都道府県によって認定される准看護師に分けられますが、上記は正看護師の平均年収です。看護師については4年制の看護系の大学または3年制の専門学校を卒業すれば受験資格を得られるため、取得条件としては6年制の薬学部よりハードルは低めではありますが病院薬剤師の給料と比較すると同程度の給与のようですね。


3.その他医療従事者の平均年収
それでは上記以外の医療従事者の平均年収はどうなのでしょうか。同様に2020年度賃金構造基本統計調査における職種ごとの平均年齢、平均年収の表は以下の通りです。

医療従事者の平均収入

医療従事者全体で比べると医師の年収が突出しており、歯科医師、獣医師と続くようですね。

【薬剤師が年収を上げる方法とは?】

それでは薬剤師が年収を上げるためにはどのようにすればよいのでしょうか。
もちろん企業ごとに昇進、昇給の基準なども様々ではございますので、一概にこうすればというやり方は無いのですが、参考までに年収を上げるための方法の一例を記載していきたいと思います。

1.昇進の条件を確認する
どの企業においても昇進に伴い、昇給もする形になることがほとんどです。例えば調剤薬局やドラッグストアであれば管理薬剤師、薬局長、エリアマネージャー、病院であれば薬剤部などの役職に上がるなどがわかりやすい昇進ですね。
そういった昇進をするための条件として企業がどういった基準で判断しているのかということ確認、理解したうえで昇進を目指すという方がより早く昇進できるかと思います。


2.認定薬剤師などの資格を取得する
最近では企業により認定薬剤師の取得や、かかりつけ薬剤師の基準を満たした場合に、給与とは別途、手当てを支給している企業などもあります。
手当を支給している企業であれば、支給条件を満たすことで年収を上げられます。まずは企業に手当の有無、支給条件の確認を取ってみてください。


3.業種や雇用形態、勤務地などを見直す
<薬剤師の平均年収とは?>にて都道府県別や企業規模別、業種別などによる平均年収の違いを記載してきましたが、そういった条件別で今よりも条件が上がりそうな都道府県や企業規模、業種に思い切って転職をするというのも一つの手段ではございます。
また全国展開している企業であればエリア限定ではなく、全国転勤の可能性のある雇用形態に移ることで年収が上がることもあります。


4.高年収が見込める職場に転職をする
上記3と重複する部分もありますが、薬剤師の転職市場において、エリアやタイミングによってはかなり好条件の求人が出てくることもあります。中には1年ごとの契約社員など期間限定で就業可能な求人などもございます。
その際には多数の求人を保有しており、転職支援のプロである紹介会社にご相談いただき、どのような求人が一番良いのかしっかりと吟味してお決めになられるのが一番良いかと存じます。


【まとめ】

薬剤師として働いている方の平均年収を見ていただきましたがいかがでしたでしょうか。
年収は多くの方が転職の際に重要視する項目の一つであるので今回取り上げさせていただきました。
ただ、昨今では様々な要因で数年前までは売手市場で求職者有利な状況で転職活動ができていた時代から今現在では企業がしっかりと欲しい人材を選ぶ買手市場に変わりつつあります。このような状況下では今までのようなわかりやすい高年収求人もどんどんなくなっていきます。少しでも年収を上げるため、今後も企業から求められ続ける薬剤師になれるよう、今まで以上に今後キャリアプランをしっかりと考えて転職活動をすることが大事です。

ファル・メイトでは希望条件に合った求人のご紹介はもちろんのことですが、業界のプロとしてしっかりと求職者様のキャリアプランを考えたうえで一番良い方法をしっかりと提案致します。
少しでも将来について不安を感じている、転職しようか迷っているということであれば、是非一度お気軽にご相談いただければと存じます。

※以下薬剤師の年収に関するコラムページですのでこちらもご興味ございましたらご覧くださいませ。

気になる!?ドラッグストアの年収事情
ドラッグストア勤務薬剤師の月収・年収について
ドラッグストア勤務薬剤師は給料がいいとよく言われますが、実際はどうなのでしょうか。給与面以外のメリット、デメリットも含め詳しく見ていきましょう。

病院勤務は年収が低いって本当なの?
病院勤務薬剤師の月収・年収について
病院勤務薬剤師は年収が低いとよく言われていますが、本当に低いのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

求人ワード検索

地域・駅・店舗・企業名

都道府県で簡易検索

関東エリア

関西エリア

東海エリア

東北エリア

九州エリア

ご登録からご就業までの流れについて
ファルメイト新規会員登録はこちら ファル・メイトのスタッフ紹介